小規模事業者持続化補助金のレポート
〈一般型(通常枠)〉第18回 締切分
採択傾向分析・採択されるための対策レポート
分析対象:採択番号 622〜2442(関東・甲信越ブロック) 全 1,821 件
対象地域:茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県
作成日:2026年5月
1. 採択状況サマリー
本レポートは、小規模事業者持続化補助金〈一般型(通常枠)〉第18回締切分の採択者一覧(関東・甲信越ブロック:番号622〜2442)を分析し、採択されやすい事業の傾向と対策をまとめたものです。
| 項目 | 内容 |
| 分析対象採択件数 | 1,821 件 |
| 補助金名称 | 小規模事業者持続化補助金〈一般型(通常枠)〉 |
| 採択回次 | 第18回締切分 |
| 最多採択都道府県 | 東京都(全体の約53%) |
| 最多事業分野 | 美容・エステ・ネイル系(約11%) |
2. 都道府県別 採択件数
関東・甲信越ブロックの都道府県別採択件数は以下の通りです。東京都が突出して多く、続いて神奈川県・埼玉県・千葉県が上位を占めます。
| 都道府県 | 採択件数 | 割合 | 特徴 |
| 茨城県 | 53 件 | 2.9% | 地域産業が特徴 |
| 栃木県 | 70 件 | 3.8% | 地域産業が特徴 |
| 群馬県 | 111 件 | 6.1% | 地域産業が特徴 |
| 埼玉県 | 165 件 | 9.1% | 3位・地域密着型多い |
| 千葉県 | 181 件 | 9.9% | 4位・農業・観光系も |
| 東京都 | 972 件 | 53.4% | ★ 全体の過半数 |
| 神奈川県 | 250 件 | 13.7% | 2位・多様な業種 |
| 山梨県 | 20 件 | 1.1% | 地域産業が特徴 |
| 合計 | 1,821 件 | 100% |
3. 業種別 採択傾向
採択者の補助事業名から業種・業態を分析しました。美容・エステ系が最多で、飲食・IT・整体/鍼灸が続きます。多様な業種が採択されており、業種を問わず申請のチャンスがあります。
| 業種・業態 | 採択件数(推計) | 構成比 | 傾向 |
| 美容・エステ・ネイル・脱毛 | 約198 件 | 10.9% | ★ 多数 |
| 飲食店・カフェ・飲食関連 | 約187 件 | 10.3% | ★ 多数 |
| IT・デジタル・コンサル | 約156 件 | 8.6% | ★ 多数 |
| 整体・鍼灸・整骨・マッサージ | 約134 件 | 7.4% | ○ 多い |
| 製造・加工・工業 | 約128 件 | 7% | ○ 多い |
| 建設・リフォーム・塗装 | 約112 件 | 6.2% | ○ 多い |
| フィットネス・スポーツ・ヨガ | 約98 件 | 5.4% | ○ 多い |
| 小売・EC販売 | 約87 件 | 4.8% | △ 普通 |
| その他サービス業 | 約721 件 | 39.5% | ★ 多数 |
【ポイント】業種の多様性が高く、ニッチな分野でも採択例ある。「自社ならではの強み」を明確にすることが重要。
4. 補助事業名キーワード分析
採択された補助事業名に頻出するキーワードを分析しました。どのような表現・戦略を盛り込んでいるかが採択率に影響します。
| キーワードカテゴリ | 出現率(推計) | 事業名への活用ポイント |
| 販路拡大・開拓 | 約49% | 「〜による販路拡大・開拓事業」と言う言葉は補助金趣旨と直結。積極的に使用を。 |
| Web・デジタル活用 | 約23% | SNS/HP/ECを活用するDX推進の視点を盛り込むと訴求力UP。 |
| 設備導入・機器 | 約32% | 「〇〇機器導入により△△を実現」の因果関係を明示することが重要。 |
| 展示会・イベント出展 | 約16% | B2B事業者が販路を証明する有効手段。海外展示会も評価される。 |
| 看板・広告宣伝 | 約20% | オフライン施策も引き続き採択あり。地域密着型に有効。 |
| 新メニュー・商品開発 | 約16% | 既存強みと新商品を組み合わせた「進化型」提案が評価される。 |
| インバウンド・海外展開 | 約10% | 訪日需要回復を背景に増加傾向。多言語対応も評価ポイント。 |
| リニューアル・改装 | 約13% | 老朽化対応・バリアフリー化など、顧客体験向上に結びつけた説明が重要。 |
5. 採択されやすい計画書の共通パターン
採択された事業名の計画書には、以下の4つのパターンが多く見られます。申請書作成の際の参考にしてください。
パターン1:課題→解決型タイトル
「〇〇の課題を解決するための△△導入」のように、何の課題をどう解決するか明示している事業名が多数採択。
採択例:
「塩害・腐食に強い次世代表面加工技術で造船・宇宙市場へ進出」
「マイクロバブル導入による髪と頭皮ケア強化事業」
パターン2:具体的ターゲット明示
「高齢者」「女性」「インバウンド」「メンズ」など、ターゲット層が明確な事業名が採択されやすい傾向。
採択例:
「高齢化社会に寄り添う快適な施術空間づくりと顧客拡大事業」
「現役看護師が行う親子連れが安心できる脱毛サロンへ」
パターン3:既存強み×新規展開
既存の技術・実績を活かしながら新分野・新顧客層を開拓する事業が採択を得やすい。
採択例:
「自社の強みを訴求する看板設置と公式HP開設による新規顧客開拓」
「古民家再生と地域連携による観光価値創出事業」
パターン4:数値・成果を意識した表現
売上向上・客単価UP・生産性向上など、定量的な成果イメージが伝わるタイトルが多い。
採択例:
「客席の収容人数アップとバリアフリー化で客数を増やす」
「生産ラインの見直しとサービス拡充による新規顧客獲得」
6. 採択率が高い順の特徴
統計分析から導き出された、採択率を高めるための具体的なポイントをまとめます。
「販路拡大・開拓」の文言が事業名全体の約49%に登場。補助金の趣旨に合致した表現が重要。
Web・SNS・ECなどデジタル活用を盛り込んだ事業は約23%。DX推進への意欲が評価されやすい。
設備導入を明示した事業は約32%。「何を導入して何が変わるか」のセットが採択の鍵。
展示会出展は約16%。BtoB企業が販路証明の手段として活用している。
東京都の採択数が全体の約53%を占め、申請件数・採択率とも高水準。
インバウンド・海外展開を含む事業は約10%。訪日需要回復を追い風にした戦略が評価。
7. 申請前チェックリスト
以下の項目を満たしているか確認してから申請してください。
| No. | チェック項目 | 確認 |
| 1 | 補助事業名に「販路拡大」「販路開拓」「新規顧客獲得」のいずれかが含まれているか | □ |
| 2 | 「何を導入・実施して→どんな効果が得られるか」の因果関係が明確か | □ |
| 3 | ターゲット顧客層(高齢者・女性・インバウンド等)が具体的に示されているか | □ |
| 4 | 自社の既存強みと新規取組のつながりが説明されているか | □ |
| 5 | 補助対象経費が補助金の使途要件を満たしているか | □ |
| 6 | 事業計画書に売上向上・客単価UP等の数値目標が含まれているか | □ |
| 7 | 競合との差別化ポイントが明確に記載されているか | □ |
| 8 | 地域・社会への貢献(地産地消・雇用・環境等)に触れているか | □ |
8.まとめ
第18回採択者一覧の分析から、小規模事業者持続化補助金で採択が得られている計画書の特徴。
「販路拡大・新規顧客獲得」という補助金の目的に直結した補助事業名で計画書を作成する
具体的なターゲット層・課題・解決策の三点セットを明確に示す
既存の強みを活かしながら新しい取組であることを主張する
設備導入の場合は「なぜその機器が必要か」「導入後に何が変わるか」を具体的に説明する
デジタル活用(SNS・HP・EC・DX)の視点を盛り込み、時代のニーズに応えることを示す
地域・業種を問わず採択されており、適切な計画書作成が最重要ポイント
